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No.3
『…ン』
目覚めたら散々抱かれたはずの高級ホテルではなくて。
多少生活感のある誰かの高層マンションの寝室だと言う事に気がついた。
俺もしかしてまた攫われちゃった感じ…?
思えば沢山の姫達を泣かせてきた自負はある。
だからてっきり今まで自分のお世話になっていた姫の一人だとこの時は思っていた。
犯罪行為と言われている風俗落とし等はしていないけれど無自覚の天然タラシと言われている俺の為にお強請りしなくても無理して借金して来店する女の子が多かった。
姫同士で刺し違える時もあれば俺自身も刺されそうになった事は数しれず。両手では足りないぐらいには問題児だと言われて来た。
そう言う前科が多すぎて。
思い当たる節しかなくて俺は暫く考えた後脱走する事にした。
そそくさと家主にバレないように玄関まで足音を立てないように向かう。
外へと向かう扉を掴んで、開けようとした途端に背後からにゅっと手が現れて思わず固まった。
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