友人と違和感

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「二軒目いく〜?」 「ええ、、、どうしよっかな〜」 お持ち帰りされないためか知らないが、美優は常に時間を気にする。 俺も普段ならここでお開きにするところだが、今日はもう少し愚痴っていたい。 「頼む。」 彼女は少し唸って、 「分かった。あとちょっとね。」 と言った。 せめてもの償いとして、代金は俺が支払った。 いつもなら割り勘なのだが。 美優は酔っているのか、少しふらついている。 「美優は、彼氏とか作らないのか?」 ふと思いついた質問を、会話をつなぐつもりで放ってみる。 「そうだなぁ〜、今別にいらないかな。満足してるし。」 「ふーん。いや、お前一応モテるから、もったいない気がして。」 「なに、私のこと狙ってる?」 「嫌だわ。」 「失礼なっ。」 ぽんぽんと言葉が交わされていく。 そこにはなんの遠慮もないと思った。 「美優?」 後ろから、人の声がした。 美優は固まる。 ゆっくり、後ろを振り向く。 その顔は、恐怖に包まれていた。 先程の雰囲気は、もうどこにもない。 「え、あんた美優だよね?浦野美優。私、早紀だよ!ほら、高校一緒だった。」 「さ、早紀ちゃん、、、?」 早紀、と名乗る女は、美優に駆け寄り、そのまま抱きしめる。 「やっぱ美優だ!心配したんだよ!連絡も返さないし、私は美優のうちも知らないから、、、!突然いなくなっちゃって、、、!」 、、、取り残された俺は、どうすればいいのだろう。
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