09.さめない熱

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相変わらず体はだるいし、早くお家に帰りたいのに、菖くんの言いつけを律儀に守って待っているあたしってなんて健気なの。 意味もなくコンビニのお菓子コーナーを眺めながらも、来店の開閉音が聞こえるたびに少しだけ体を強張らせていた。 すると、何度目かのその音が聞こえてきた後 「っ、心菜、」と、肩で息をしながらもあたしを呼ぶ声がした。 それにパッと視線を声のした方へと向ければ「あっつ、、。」と言いながらも呼吸を整える菖くんの姿があった。 しばらく会わないつもりだったのに、まさかこんなにはやく再会することになるなんて思ってもみなかった。 でも、結衣ちゃんの姿が何処にも見当たらない。 そのことに疑問を抱きながらも、外で待っているのかもしれない。と、見当をつけて 「菖くん、、わざわざどうしたの?」 なんて、何事も無かったかのように笑顔で話しかけた。すると、 「…、どうしたの?じゃねえだろ。とりあえず、ここ出るぞ。」 そう言ってあたしの手を掴むと、ギュッとそこへと力を込めて、まるで逃がさないとでも言うようなそれに、変に期待させるようなことをするのはもうやめて欲しいと思った。 でも、やっぱり菖くんのことが好きなあたしはそれを拒否することなんてでてきなくて、ただ菖くんに手を引かれるまま黙って着いて行くしかなかった。
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