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誰かがあたしの名前を呼ぶ声がする、それに閉じていた瞼をゆっくりと開ければあたしのことを見つめる菖くんの姿がぼんやりと瞳に映った。
「——…ん、、あやめ、くん?」
「心菜、、寝てるとこ悪い。なんか薬とか持ってきてたりしねえ?あるならこのまま泊まっていけばいいし、無けりゃもうちょい寝て待ってろ。準備して家までタクシーで送ってくから。」
どうやらあたしはあのまま眠ってしまっていたらしい。起こされた時にはすでに菖くんの部屋のベッドへと寝かされていた。
こんな姿のままですごく申し訳ない気持ちになったけど、一度気を緩めてしまったせいか、一気に体のだるさが増してきた気がした。
なんとも幸いなことに、念の為にと処方された薬を3錠ほどポーチの中に入れて持ってきていたあたしは「…ん、、ちょっとだけなら、もってる。」と、そんな菖くんからの提案に甘えさせてもらうことにした。
「分かった、なら着替え貰ってくるから、動けそうならシャワー浴びるか?」
「うん、、、。ありがと。かりてもい?」
正直このまま寝てしまいたい気持ちもあったけど、菖くんと一緒にいるのに入らないという選択肢はなかった。
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