01.その恋手伝わせて

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だが、周りのみんなは口を揃えて"あの2人はそうゆうのじゃないから。"と、全く疑っていなかった。 純粋ピュアに"ただの幼馴染"という言葉を信じてしまっていたのだった。 え?みんな本気で言ってるの? 内心そう思いつつも、ここは波風を立てるべきところではないな。と判断し 「へぇ、そうなんだぁ。」と話を合わせるだけに留めた。 でもほぼ、いや確実にただの幼馴染なんかじゃないと言い切れる。 だって普通幼馴染だからって同じ大学、は一万歩譲っていいとして、同じ学部、しかもサークルまで同じときた。そんなことってあり得るの? いや、これはきっと新條菖の尋常じゃないほどの、執念すら感じるレベルの想いによって創り上げられた環境なのだと悟る。 そして、周りには気づかれないよう、クズに擬態する事で表面上だけは"ただの幼馴染"という関係が成り立っているに違いない。
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