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寿命の短さでの事件が多くを占めている。
しかし、ほとんどの者は、時間を受け入れて生きていた。
それが当たり前だから。
――ただ、この男だけを除いて。
セカイだけは、病気も事故もない。風邪すら1度も引いたことはなく、子供が一度はかかる病気もすべてない。
事故すらも奇跡を起こしたように、すべて回避して生きてきた。
1度だけ、暗殺されそうになるが、逆に犯人が悲惨な結果を招いた。
それ以来、誰もこの男を妬む者すらいなくなった。
「……暇だ」
親のおかげで不自由ない暮らしを送っているセカイが、唯一仕事といえるものは年に1度開催している『時間オークション』のみだった。
高校生になった頃に、暇つぶしに始めたのがキッカケで、文字通り、時間を金で買うのだ。
時間は1年~5年まで。
1度のオークションで落札できるのは1回限りだが、翌年はまた参加することが可能だった。
つまり、金持ちの道楽の1つである。もちろん、長生きしたいと思う者は多く、セカイのおかげでカジノなどギャンブルが廃業に追い込まれた。
しかし、セカイを恨む愚か者はいなかった。時間は、金よりも価値があるから。
ただ、セカイが時間を無限に持っているだけが理由ではなかった。
これも、神のイタズラか。他の人間にはなくて、この男だけが持つ能力があった。
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