2人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
25th Anniversary
この世界は、時間で支配されている。
時間は命、命は時間。
それが世界のすべて。
そんな世界に、時間を無限に持つ子供が生まれた。
時間は、すべて数字で表示されていた。1年の命なら、『365』
それが、産まれた子供は【999999】
今まで最高齢で、『43435』の119歳だ。
文字通り、桁違いだった。
しかも、その子供が成長して年を重ねても数字は微動だにしない。
世界に愛された男は、大富豪のもとに産まれた。
病気も、怪我もせず元気に育ったのだが、それもあってか、性格は自己中で傲慢だった。
そして、完全無欠とは、この男のためにある。
家族以外は、すべて見下していた。
そして、やりたくないことは何1つやらなかった。
そんな男にも、まだ可愛かった時代があった。
齢5歳のときに、同い年で上流階級の少女にひとめぼれした。
黒に近い青いロングヘアに、二重の大きい瞳。色白で、笑顔が太陽のような少女だった。
話しかけようと試みたが、ちょうど家族で出かける予定が有り、声をかけられず、それっきり会うことはなかった。
そんな男も、今日で25歳となった。この男に、年齢も関係あるのか分からなかったが、今日は世界中が賑わう誕生祭。
この世界に愛された、古木世界という男の25th Anniversary。
最初のコメントを投稿しよう！