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「……で。
問題はこれですよ」
部屋に帰ってきて、まんじゅうに齧りつきながら再び鍵と対峙する。
鍵には番号の書かれた木札が付いており、これで各刀を管理している。
当然、その台帳があるわけだけれど、それは役人によって厳重に管理されており、私に閲覧の許可は下りない。
「いっそ、忍び込むか……?」
などと考えたものの、すぐに諦めた。
災害庁の奥深くなんて、一介の女子大生が忍び込めるわけがない。
だいたい、こんなにたくさん鍵があるのがまず問題なのだ。
十本とかならまだそこまで悩まなかったかもしれない。
しかし目の前にある箱の中には百本などといわない量の鍵が入っていた。
それもそのはず、遙か昔より刀は年に一振りずつ生み出されているのだ。
巫女ひとりに基本一振りなのだから、そんなにいらないんじゃないかと思う。
折れたときの予備といわれても多すぎる。
しかし曰く、相性のいい刀を選ぶ率を上げるため……なのらしい。
十本よりも百本、百本よりも千本。
そのほうが相性のいい刀が含まれている率が上がるからとか言われても、こんなに大量だと逆に選びづらい。
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