第零章 穢れ討伐

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目をらんらんと輝かせ、腰を低くためてそのときを今か今かと待ちかまえている。 それを見て、小さくため息をついた。 「とにかく。 私の指示に従ってよね。 わかっ……」 ドーン!と大きな音がするとともに地面が揺れ、身体が浮く。 「見えた」 男の言葉どおり、立ち並ぶ住宅のあいだから二つに折れた、黒い棒状のものが何本も見えた。 しかもそれは五階建てのマンションと同じくらいの高さがあり、不気味に蠢いている。 「参る」 低く呟いたかと思ったら、伶龍が一歩踏み出した。 後ろ足が地面を勢いよく蹴り、弾丸のごとく一直線に〝それ〟に向かっていく。 「ちょ、待って!」 傍らに置いてあった弓を掴み、慌ててそのあとを追う。 しかし彼の姿はすでに、豆粒のように小さくなっていた。 ――うぉぉーん! 少しして先程よりも甲高い、雄叫びが上がる。 すでに伶龍が、交戦状態になっているようだ。 「だから待ってって言ったのに!」 最速で棒状のものが集まる中心へと向かう。 そこには建売住宅サイズの、黒い靄状のものがあった。
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