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なので彼がとどめを刺したのは問題ないが、やり方が問題なのだ。
核は崩壊する際、破裂して辺りを穢れで汚染する。
そうしないために私が矢で御符を貼り、伶龍がとどめを刺すのが正しいやり方だ。
けれど彼は待てができない。
躾のなっていない犬のごとく、核が姿を現すと一目散に向かっていく。
おかげで毎回、この有様だった。
「いい加減にしてくださいよ、まったく」
彼――柴倉さんの口から疲労の濃いため息が落ちていく。
そうさせているのは自分なだけに、大変申し訳ない。
今日は着替えすらさせてもらえずこれなので、柴倉さんはかなりご立腹なようだ。
わかるけどね、私も彼の立場だったら怒鳴りそうだ。
「刀の制御は巫女であるあなたの役割ですよね」
「……はい。
すみません」
頭を垂れてひたすら無心に謝罪を繰り返した。
私だって好きであんなヤツとパートナーを組んでいるわけではない。
できることなら今すぐ別の刀と交換したいくらいだ。
しかし、パートナーチェンジは刀が折れたときしかできないと言われたら、諦めるしかない。
「本当に頼みますよ」
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