第零章 穢れ討伐

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見せつけるように彼は頬の傷を私の目もとに寄せ、凄んできた。 「そ、それは申し訳なく、思ってオリマス……」 矢を当てた本人としては気まずく、言葉はしどろもどろになって消えていく。 しかしあれは、本当に私が悪いのだろうか。 「でもさ!」 一度は下がった頭だが、勢いよく上げてレンズ越しに彼と目をあわせる。 「伶龍だって避けてて言ってるのに、全然おかまいなしだしさ。 伶龍が邪魔で、なかなか矢が射れないんですけど!」 「うっせーな」 私が文句を言ったところで伶龍は、高圧的に私を見下ろしてきた。 「だいたいオメーは俺がアイツを倒すための補佐だろーがよ。 なら、俺が戦いやすいようにするのが役目じゃねぇのか、ああっ?」 腕を組んで仁王立ちの彼は尊大で、本当に偉そうだ。 その姿に私の忍耐がぶち切れた。 「あんたみたいな自分勝手な刀、補佐するこっちの身にもなってよね! 突っ込んでいくしか能がない、無能のくせに!」 「なんだと!」 胸もとの襟を掴み、伶龍が私を立たせる。 おかげで軽く、足が宙に浮いた。
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