俺は耳が聞こえません。

人生ハードモード

Ａ組はー………ここか。

ドアを開けて教室に入る。

なぜか俺が入った瞬間ザワザワしたが（多分）なぜだ？なんて思うわけもなく、俺が“イケメン”だからだろう。我ながら顔面偏差値には自信がある。前世と違って。

（ガラッ）
※こういう（）で括られてる奴は主人公には聞こえてません。

おぉ、先生はあれだな、ホスト系だ。テンプレ。
自己紹介で黒板に字書いてくれるの助かる。いい先生。見た目で判断しちゃいけないね。

お、自己紹介じゃなくてもちゃんと黒板に書いてくれるのね。

【自己紹介　廊下側から】

スケッチブック〜

【俺の名前は中森桐人です。好きな食べ物はラーメン。部活は決めてません。
　あと、俺は耳が聞こえません。会話するときは今みたいにスケッチブックで
　することになると思いますが、よろしくお願いします。
　何か話したい事があるときは正面から来てくれると助かります。】

ん？話せるって言ってたじゃん？
馬鹿野郎。
小さい頃から耳が聞こえないやつがそんな流暢に話せる訳ないだろ。
話せる事がバレたら珍獣扱いされてイケメン共に捕まってしまう。
三年間、俺はスケッチブックで乗り越えるんだ。

うーん、自己紹介ミスったか？なんかすっっっっっごい気まずい雰囲気なんだが。