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私の世代はおそらく"名前の過渡期"だったのだろう。
クラスに有紗、紗耶、絵梨花、里奈などの当時としてはどこかお洒落な名前の子がいる一方で、愛子、裕子、祥子、佳奈子という"子"がつくどこか古い印象の名前の子の方がまだ多く存在していた。
そんな中で私は"梅子"といい、現在ではしわしわネームだなんて言われるような名前だ。
アリサやサヤみたいにお洒落なわけでもなく、同じ"子"がつくアイコやユウコにすらかわいさで劣っているこの名前を命名したのは同居する父方の祖母である。
祖母の名前は竹子。祖母は幼い頃に妹を亡くしており、私はその妹の名前をつけられることとなった。
これに対して私の母は大反対したのだが、母親の顔色を窺う父と強引な祖母の二人には勝てなかったらしい。
そういう経緯で私は"梅子"として生きることになった。
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