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謎は全て解けた。
電化製品や調理器具、水道やトイレがないのは、自分で自分に今の技を使っているからだ。永久機関の完成ではないか。
空腹だけではなく車まで直してしまうとは凄い技術だ、いやもう魔法だ。本物の仙人だ。
しかもなんだか服も綺麗になった気がする。髪も洗い立てみたいに気持ちいい。
もしかして、彼がやたら清潔感に溢れているのも、髪や髭も……
「気合いがあれば何でも出来る。
病気にもならないし、散髪も洗濯も拳一発さ」
ひええ……信じられないが、ぱんぱんのお腹が証明している。
「俺の親父も『いいじゃんシンドローム』にやられた面倒臭がり屋でさ。格闘家だったから体を鍛える事にはマニアックだったけど、飯の準備や後片付けが嫌いでな。それで編み出した技がこれさ」
凄い、逆に面倒臭い。
言いながら彼が窓を開けると動物達が寄って来た。リスが漫画みたいに人の頭に飛び乗るのを初めて見た。
「親父はこの技を世のため人のために使おうとした。例えば災害時の救助とかな。自分のために何かするのは面倒だけど、人が喜ぶ事なら平気だったのさ。
……でもな」
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