表紙

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表紙

42a5d5a4-c20f-4521-922a-8e6a3568e3c1  「血の繋がりがなければ家族じゃないって いう偏見もあるけど、家族って血で繋がるん じゃなくて、心で繋がるものだと思うから」  透きとおるような声でそう言った彼女に、 僕は笑みを返す。見つめた横顔はどこまでも やさしく、僕はいつまでも隣を歩いていたい 心地に捉われながら、黄金色に燃える歩道を 歩いていた。 ◇◇◇◇◇ 《主人公と月見里(やまなし)家の人々》 ・主人公 ソラ 月見里家の庭先で眠っているところを保護 された記憶喪失の少年。名前を覚えていなか ったため仮称として『ソラ』と名付けられる。 短身痩躯だが、透明感のある黒髪の美少年。 ・野々山 莉都(ののやま りと)  三歳の時、火災で両親を失う。親に代わり 育ててくれた祖母が亡くなると一時的に児童 養護施設へ入所。七歳の時に養育里親である 月見里夫妻の元へ。控え目で清純なイメージ を相手に与えるが芯の強さを併せ持っている。 ・笠原 論平(かさはら ろんぺい)  生後まもなく乳児院に預けられ三歳四カ月 の時に月見里家の里子となる。本来は人一倍 やさしい性格だが、内に抱える苛立ちが爆発 すると手が付けられない一面も。 ・眞島(まじま) はじめ  生まれてすぐ『赤ちゃんポスト』に入れら れ乳児院へ。二歳七カ月の時、月見里夫妻の 元へ委託される。頭脳明晰でインテリチック。 長男気質でしっかりしているものの、時折り 親を困らせることが。 ・絵鳩 桃々(えばと もも)  父親が母親を殺害。『親族殺人』に対する 世間の風当たりが強く、遠方の乳児院に預け られる。三歳の時、里子として月見里夫妻の 元へ。オン眉ショートボブ。 ・月見里 虎仁郎(やまなし こじろう)  養育里親として実親と暮らせない子どもを 引き取り、惜しみない愛情を注ぐ。明朗快活 な性格で、特別支援学校の校長を務めている。 ・月見里 羽那(やまなし はな)  結婚四年目に子どもを授かることが出来な いと知り養育家庭里親に登録。虎仁郎と共に 五人の子どもを育ててきた。家族は助け合い という精神のもと、里親歴十六年目を迎える。
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