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 光永は、太っているせいで俺に振られたんだと思っていたらしい。  無茶なダイエットは、俺のせいだったんだ…。  俺は光永に正直な気持ちを伝えたくなった。 「俺、今の光永は嫌だよ。お菓子食べて元気に笑ってる光永が好きだよ…」 「え?」 「顔にこんなアザがある俺なんか、好きになってくれるわけないって思ってたから…」 「え?これ?」  そう言って、光永が俺の長い前髪をどけて右目の脇に触れた。  硬直した俺に向かって、光永が言った。 「…これが新田にとってマイナスなんだとしても、私には何もマイナスじゃないよ?」  俯いていた顔を上げたら目が合った。  優しく笑う光永を見て泣きそうになって、必死に堪えた。 「同じだよ。俺だって、お菓子食べて元気に笑ってるツヤツヤしたむきたまごみたいな光永が大好きだよ」  俺は思わず光永の頭を撫でた。  硬直した光永の頬がみるみる赤くなり、それは直ぐに俺にも伝染した。
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