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「あった、トラックだ!」  道路のはしっこに停まってる。色や形はおんなじだ。  おしりの番号は「3」。ぼくらが乗ってたトラックじゃないけど、”てんごく”まで行くのかもしれない。  ブルーの帽子のおじさんが、あくびをしながら運転席に乗ろうとしてる。  もう出発するのかも。ぼくは急いで荷台によじ登った。  もちろん、そこにみんなはいない。天井や壁に布が張ってある暗い荷台の中には、さび付いた鉄の棒とか、ボロボロの歯車が転がしてあった。  トラックは何度も揺れたけど、しっかり捕まって振り落とされないようにした。   みんなが”てんごく”でぼくが来るのを待ってる。  なによりも、ミミィに会えるんだもの。
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