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ミミィのしてくれたお話で、ぼくがいちばんワクワクしたのは”もちぬしさん”のことだ。
「ミミィ、”もちぬしさん”ってなあに?」
「そうね、例えば二人っきりでダンスをしたい相手はいる?」
ミミィが右手を上げてくるくる回ってみせた。みどり色のドレスがひらひら、と、ちょうちょの羽みたいに広がる。
「ダンスは分からないけど、ギュウ、とハグできる人がいたらいいなぁ」
「それがあなたにとっての”もちぬしさん”よ。たった一人の大切なお友達のこと」
「じゃ、ぼくとミミィはおたがいに”もちぬしさん”だね」
「違うの、”もちぬしさん”は工場の外にいる人間の子供よ」
「ううん、むずかしいなぁ…」
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