2.

4/5
前へ
/19ページ
次へ
 ミミィのしてくれたお話で、ぼくがいちばんワクワクしたのは”もちぬしさん”のことだ。  「ミミィ、”もちぬしさん”ってなあに?」  「そうね、例えば二人っきりでダンスをしたい相手はいる?」  ミミィが右手を上げてくるくる回ってみせた。みどり色のドレスがひらひら、と、ちょうちょの羽みたいに広がる。  「ダンスは分からないけど、ギュウ、とハグできる人がいたらいいなぁ」  「それがあなたにとっての”もちぬしさん”よ。たった一人の大切なお友達のこと」    「じゃ、ぼくとミミィはおたがいに”もちぬしさん”だね」  「違うの、”もちぬしさん”は工場の外にいる人間の子供よ」  「ううん、むずかしいなぁ…」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加