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 ガタン、と揺れたと思ったら、ぼくはトラックの荷台から落っこちた。  道の上に落ちたけど、ぼくの体には綿がいっぱい詰まってる。ちっとも痛くない。     だけどみんなを乗せたトラックがずっとずっと遠くへ行っちゃうのは、心がシクシク痛くなる。  おしりに「1」と書かれたトラック。  「追いかけなくちゃ。今日はミミィやみんなといっしょに工場を出て、”てんごく”へ行くんだもんね」  ミミィに会えるなら、ぼくはたくさん頑張れるんだ。  ぼくは豆粒ほどに小さくなったトラックを追いかけて、まちの方へ向かった。
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