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私には、誰にも言えない秘密がある。
「俺と智草は血の繋がりがない」
突然兄に言われた言葉。
激しい雨と風の音。大型台風が近づいてきて荒れている外と同じくらいこの部屋の中も今、荒れようとしている。
「兄や、なにを言っているの、兄妹じゃない」
「智草は養女だ……。智草が好きだ。ずっと好きだ。前からずっと」
「私も兄や大好きよ」
「違うんだよ。智草の好きと、俺の好きは。俺は……欲しい。俺だけのにしたい。妹だなんて見えていない。ずっとそう見てた」
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