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お母さんは看護師をしていて、勤め先の病院に若い妊婦さんが運ばれてきた。身元が分からない、陣痛を起こしている十代か、二十歳を超えたばかりに見える若い人。
田舎の小さな病院で、産婦人科はない。救急車を呼んで移動させる時間の余裕もない。幸い助産師の資格を持つお母さんがいたのでついて、出産は無事終えたらしい。
生まれてきたのは女の子。大変な思いをして産んだにもかかわらず、第一声が、
「……誰か、もらって欲しい……私、育てられないから……」
赤ちゃんを抱こうとはせず、顔を見ようともしなかったみたい。
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