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『高額なバイトなんて怪しいに決まってる』と......。
恋人の美波(みなみ)には何度も止められた。
だけど僕は、美波に内緒にしている借金があった。
それを短期間で一気に返すには、短期間の高額なバイトをするしか
方法が無かったのだ。
そもそも美波が『遊園地とか動物園に行きたい』と、温かい陽気に
誘われて言ってくる度に、僕は気が重いばかりだった。
『この時期は、どこも人がいっぱいで疲れるだけだよ』とか言って
誤魔化すしかなかった。
情けないね、こんなにも平和な世の中なのに。
そうして僕は治験に応募した。
『新開発された薬を1日に1度、1週間、入院して服用するだけ』
それだけで50万円がもらえるというバイトを。
そして、健康面についてクリアーして治験患者として採用された。
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