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きらびやかな衣装とメイク。そして物語を彩る音楽。
偏見や葛藤も描かれるけれど、見終わったあとポジティブな気持ちになれる、そんな映画だ。
「うん。……で、やってみたいことっていうのは、これ」
チャプターボタンを連打して、ショーの場面へひとっとび。
「これ完コピして、3人で踊るって、どうかな?」
「いいんじゃね。ウケるか引かれるか、ハーフアンドハーフな感じも含めておもしろそうだし」
あっさり乗っかってきたサトキンとは対照的に、サカキはまだ迷っている様子だ。
「ボク、一応性別は女なんだけど、それでもいいの?」
一応、って言うのには理由があって、サカキの心は男なんだ。
だから、制服はスカートじゃなくてズボンをはいているし、僕らはあえて“サカキ”と呼んでいる。
「うん。そもそもドラァグクイーンって、過剰にゴージャスな女装をしたパフォーマーのことなんだ。基本的にはゲイだけど、中にはストレートな男性や女性のドラァグクイーンもいるらしいよ」
「へぇー」
「じゃあさ、ミッチとサカキの案を合体して、LGBTをテーマに、映画鑑賞記録の展示とステージ発表やる、ってのはどうよ?」
サトキンの発言に、サカキと僕は右手を小さく上げる。
「さんせーい」
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