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けれどリオコはなおも首をかしげてたずねる。
「それはどうして?」
「どうしてって……だって、そういう通達が来たでしょ?」
「通達ってなにかしら?」
アタシはそこでようやく気付いた。リオコも一人、付き人とか待ち合わせている人もいなそうだ。ということは――。
「もしかしてリオコも一人で受験しに来たの?」
「そうですわ。……なにか問題でも?」
リオコは白と黒のキレイなドレスを着ていて、どこかの令嬢だとアタシは思ってた。その通りで、どこか常識が通じなさそうなところや、やけにのんびりしているから、きっと良いところのお嬢さんだろう。
でも、そんな人が通達を受け取れないなんてことがあるのだろうか?
「はい、次」
いつの間にか前の三組は受付を終えて中に入っていた。アタシとリオコが受付の前に立つ。
「お、相棒が見つかったんだね。なら入って良いよ。あ、お嬢さんも受験票だけ見せてね」
リオコは特に疑問に思わないまま、受験票を見せる。そしてアタシとリオコは中に通してもらえた。
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