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アタシは今年で十五歳になる。獣人の基準ではもう立派な大人だった。
でも、獣人の女としてでもずいぶん華奢な体格で、日雇いでできる仕事なんて、ほとんどない。貴族の使いっ走りとか、そういうのばかり。
アタシは普通の獣人とは違う。体つきだけじゃなく、体力、筋力が圧倒的に少ない。
唯一、獣人らしいところと言ったら、すばしっこさと鼻・耳が良いことぐらい。
逆に、獣人にみられない特異体質もある。それが〈魔力の流れ〉を視覚できること。ただ、キャットタイプのさがで、視力がとても悪いので、目の前の近い範囲のものしか判別できないんだけど……。
そして、獣人はみな、キャットタイプとかドッグタイプ、ウルフタイプとか種族に限らず栗色の毛なのに、アタシだけは青色の毛色を持っている。そのせいもあって、同類のはずの獣人からもあまり好まれない。
「でも〈組合〉に加入して、みんなを見返すんだ。きっとそこにアタシの居場所はあるはずだから」
アタシは今日も町はずれの大きな木の上で眠る。疲れていたアタシはすぐに眠りについた。
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