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翌日、アタシは〈組合〉の加入試験が行われる〈組合〉所有の模擬戦闘フィールドの入り口に来ていた。町のはずれから十分ほど歩いたところにある、大きな体育館みたいなところだった。アタシは朝七時から来たけれど、受付は八時から。開始は九時。ずいぶん早いと思ったでしょう? 実は加入試験を受ける受験者には、飲食物が提供されるんだ。
そわそわしながら八時の受け付け開始を待った。
でも――。
「悪いけど、そう言う決まりだから」
アタシは受付の試験監督らしい〈組合〉の兵士につまみだされてしまった。アタシは首根っこを掴まれたまま暴れた。
「いやいや、だから知らなかったんです!」
けれど兵士の男はびくともせずにアタシを受付からかなり離れたところで放り投げた。
「知らないって、じゃあここに書いてある住所は偽物ってことか? それなら偽証罪で――」
「そう言うわけじゃなくて! だから……」
「とにかく。知らせは三日前にすでに送付済みだ。資格を満たせないなら帰れ!」
「そ、そんな……」
アタシは受付の列を遠くに眺めながら、ぼう然と立ち尽くしていた。
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