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「なによ、これ?」
止水は客が壁を壊して、それをポスターで隠したのでは、と思った。でも、このポスターを貼ったのは父の友高のはずだ。客がポスターをはがした後、うっかりかいたずらで壁を壊した? 止水はあれこれ考える。
穴はどこか不気味だった。壁の厚さには限りがあるはずなのに、どこまでも先が見えないような感じだ。そもそも壁は白色なのだがら、穴をあけても黒くはならないはず。穴があいているのなら、外の景色が見えるはずだ。
穴の中はがやがやとしていた。
「ここが、人間界へと続く道なのだな?」
「ええ、間違いありません」
そこからふたりの人間の声がする。どちらも男の声だ。
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