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水族館に行ってから数日が経ったある日、菜穂が家に来た。
「菜穂」
「篤志の家に行きたい」と言われ、俺は「親が居るから」と断ったが「それでも構わない」と菜穂は言い渋々「いいよ」と言った。
俺は外で菜穂を待っていた。
「いや〜もう、勉強で教えて欲しい所があったから聞きたいなぁと思って連絡したんだよ!もしかして、変な想像しちゃってた?」
「いや、してないけど。でも何?勉強なら他の所でも…」
「…私が部屋に入ったら嫌なの?」
菜穂が泣きそうな声で言う。
ハッキリ言った方が良いのか…でも、何て言えば良いんだ?
「いや、部屋汚いからさ」
「昔はよく部屋に入れてくれたじゃない」
「それは、そうだけど…」
「私達、付き合ってるんだよね?」
「…………あ……うん」
言葉がすぐ出なかった。
菜穂を傷つけてしまった、と気付いた時はもう遅かった。
菜穂は泣き出した。
「……分かったわよ。もういい!!!」
「菜穂!」
菜穂は涙を拭きながら走って行ってしまった。
…何も言えない。
追いかける事も出来ない。
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