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「で、菜穂の方と付き合う事にしたんだ？」
次の日、休み時間に俺は友達の岩倉に「昨日電話で話した事だけど」と廊下で切り出した。
本当は誰にも言わない約束だったが、１人では抱えきれない。
「岩倉にしか言わないからな」と釘をさしたから大丈夫だとは思うけれど。
「そうなんだよ、俺どうしたらいい？」
「知らねぇよ。嘘は良くない」
「はぁあああ…」
そう、なんだよな。
本当は果穂が好きなのに、菜穂と付き合うなんて。
なんだか億劫になってきた。
「断れば良かっただろ」
そう言い、岩倉は俺にガムをくれた。
休み時間は眠気覚ましに時々ガムをくれる。
今日はブドウ味だ。
「そうだけどよ、断れば気まずくなるだろ。果穂とも話せなくなる」
「ま、あれだな。向こうに嫌われるしかねぇな」
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