3章 足音…

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「うーん…。別の法人口座は彼氏には教えない様に。雑務だけさせておけばいいと思う」 「うん、分かった。忙しい時にごめんね」 沙絵は、電話越しにすすり泣いてしまった。 「泣くなよ…。できるだけ早く調査終わらせるようにするから、それまで踏ん張ってくれ」 電話を切ると、バッグにスマホを入れ幹部と駅に向かって歩き出す。 沙絵は龍彦の会社や他の法人にまでカレンゴの被害が広がっているとは思いもしなかったので、息が詰まりそうになるほど胸が痛くなった。 もし久が本当にこの件に関与していたら、どうしたらいいのだろう…と眩暈がしそうになりながら会社へ戻った。 沙絵から電話をもらってから、龍彦は急ピッチで調査を進めた。 今回ばかりは1人で調査しきれないと思い、調査会社に勤めていた頃から長く付き合いのある人にも頼った。 調査会社に役員を向かわせると、長く待たず調査結果が出た。 社長室に役員がやってきて、龍彦に調査結果が書かれた書類や写真をだし、報告がはじまった。
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