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しかし、これからやってくるであろう不倫騒動や、モスアズや沙絵自身に対するバッシングなどに沙絵自身が耐えられるかを心配しているのだ。
「ジャッカルに関しては…全て“この僕がもみ消してきた”ので、何事もなく今に続いていますが…笑」
嫌味を龍彦に言われ智則は身の置き所に困っているような…苦笑いをして見せた。
「たくさんやらかしてすまなかった」
龍彦に謝ると龍彦はゲラゲラと笑いながら、
「本当にマジで大変だったんですよ笑?」
とさらに追い打ちをかけた。
頭を掻き出す智則を見ながら、しばらくして龍彦は本題に戻した。
「これから、会社の立て直しと自分やブランドへのバッシングは逃れられませんね…いくら俺でも無理があります」
「そうだな…業界も違うし…ジャッカルの傘下にも入れないし…」
「そう…っすね。とりあえず、こえぇ大波がこれからやってくるんで、飛び込みに行ってきます‼」
龍彦は決心して、智則にそう言葉を返した。
すると、智則も当日自分もついていくと言った。
「気を付けてくれ。当日は俺もいくから」
「ありがとうございます」
龍彦が智則にお礼を言うと、ふと思い出したかのように、言葉を発した。
「そうだ…体を池中君に返す前に…開発に苦戦していたゲーム、ちゃんと作れたみたいでよかったな笑」
自分が作っているのに、敢えて知らないフリをして話す智則だが、龍彦には智則が作ったことはバレていた。
「会長、最初は幽霊の存在なんて信じていなかったんすけど…あの無理なオーダーのゲーム作ったの会長っすよね笑?プログラム見たらすぐに気づきましたよ笑」
同時に大笑いして、会社立ち上げ時に朝晩関係なくゲームを作り続けていた懐かしい話に一花咲いた。
しかし、栄策の体は既に限界に達しようとしていた。
「そろそろ池中くんに体を返さなければ…細身、また話そう」
「はい。会長もお元気で」
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