5章 報告

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龍彦は秘書にお礼を言って、下がらせた。 秘書が部屋を出ると、デスクに置かれている写真に目を向けた。 「明後日…どうやら決戦の日みたいっす…」 龍彦は今日の昼の食事会が終わってからは、外に出る案件はない。 昼食会が終わってから、通常の社長業務をこなしながら、何があってもいいようにと、パソコンの中に収めているデータの確認や紙媒体の報告書や証拠写真の確認、そして栄策への連絡などに時間を費やした。 沙絵にも連絡をするも、沙絵からメールの返信は一向にこなかった。 決戦前日の火曜日には、栄策からのメールには、「明日の15時にはモスアズ付近で待機してましょ♪おやつの時間から人だかりが増えるかもしれない出来事が起こるみたいよ~」とだけ連絡がきた。 もしかして、栄策は智則から影ながら指示を受けているのか?とも考えた。 龍彦側は沙絵から連絡がこないため、勝手な動きが取れない。 今回は、栄策の言う通り15時頃にモスアズ本社付近で待機することにした。 息の詰まりそうな、血にまみれそうな修羅場は、もうそこまで近づいていた。
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