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「やだぁ~、すごい暗い部屋ねぇ~汗 オバケでも出てきそう」
あからさまに怖そうな顔をして、ビクビクして見せる栄策だが、龍彦は栄策の肩をポンポンと叩いた。
「出たなぁ~…デッカイおばけがよ」
「うっそぉん‼…ホントに?」
すっとぼけて見せる栄策に、
「窓際部署に鍵を持ってこいと言ったのはお前だろ笑」
「出たなぁ~…デッカイおばけがよ」
「うっそぉん‼…ホントに?」
すっとぼけて見せる栄策に、
「窓際部署に鍵を持ってこいと言ったのはお前だろ笑」
と、栄策は自分の肩で栄策の肩を叩いた。
叩かれた自分の腕を摩るように触って、「痛い」と言わんばかりの顔になるも、一瞬でその表情は、どこか遠くを見つめる感じになった。
「だから言ったでしょ?霊魂は存在しているって。だけどね、この世でそれなりに霊感がとか霊力が強い人でないと、死んじゃった人はメッセージを伝えられないのよね」
「そう…なのか…。それより…沙絵ちゃんの彼氏がヤバイ人らしい」
ぼーっと考えている暇もなしに、龍彦は自分のスマホをズボンのポケットから出して、スマホをいじりだした。
「えぇ~‼それは大変ね。変な男の人に引っかかっちゃったら、会長が悲しんじゃうわね~」
普段人前で、焦るところを見せない龍彦を見て、栄策もさすがにびっくりしたのか、体をのけぞるようにして、びっくりしている。
「飲みに行ったっきり、連絡も取り合ってなかったから…。連絡はしてみる。いづれにしてもちょっとヤバそうだから」
「ワタシにできることがあったら、なんでも言ってちょーだいね」
「ありがとう。もう、朝4時だ…。仮眠取って仕事だ…」
龍彦は腕時計を見て、溜息をついた。
「あらやだ!ワタシはお休みなので帰りまーす♪」
「お疲れ様、ありがとう。気を付けて帰るんだぞ」
「はぁ~い♪じゃあね~たつひこちゃん」
栄策はまた体をクネらせながら階段を下りて行った。
沙絵の交際している男性がどんな人なのか、最悪はジャッカルまで乗っ取られるかもしれないという智則のメッセージから不安が頭を過ぎった。
冗談で言った「不倫なのでは?」というのが当たるのではないかと、内心焦りも出てきてしまった。
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