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「由香子、おめでとう。良かったわね」と私が声をかけると由香子は嬉しそうに笑った。
「お姉ちゃん、こんなに幸せで良いのかな?泰斗は、輝さんの奥さんであるお姉ちゃんの妹だから気を遣ってくれていると思ってたの」と言う。
「どうみても違うと思ったけど?」と私。
「そうだね、泰斗は由香ちゃんが好きで堪らないって感じがバレバレだったよ」と輝さん。
「今日、待ち合わせたカフェで、大きな花束を持って現れたと思ったらプロポーズでそしょ?驚いたったらなかったわ」と由香子。
「カフェで待っている由香子を見た瞬間に今しかない!と思って周りを気にする余裕もなくプロポーズしたんだ」と泰斗さん。
周りが、とっても驚いたのを想像すると顔がニヤニヤしちゃう。
早苗さんも「その場で見たかったわね」と私に囁いてにっこり。
クリスマスパーティーが、二人の婚約パーティに早替わりしたけれど、とっても和やかで楽しい夜になった。
夜も更け、織田島の両親を送りがてら私達も帰る事に。
「輝さん、めぐみとの結婚が、由香子にも幸せを運んでくれたと思うよ」と父。
「朝陽が生まれてから我が家にこんな日が来るなんて思わなかったわね。本当に嬉しくて」と母。
そうね、あの頃は私一人で育てて行こうと思っていたし、両親にも由香子にも心配ばかりかけていたわね。と思いながら流れる風景を見ていた。
「あのまま、輝さんへの思いを胸に隠したまま過ごしていたら今頃どうしていたかしらね」と言うと「俺は絶対に探し出して愛を伝えていたさ」と即答された。
隠して来た愛を見つけてくれてありがとう。
今度、ユキエさんに会ったら「いろいろあったけれど、今は幸せ。あなたも本当の愛をみつけたなら幸せになってね」と伝えよう。
ー 完 ー
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