2月30日(金)

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「なんで・・・?」 数時間後目を覚ますと風凛くん・・・のようで風凛くんではない彼はおらず、やはり夢だったのだとホッとしたのも束の間だった。 私は服を着ておらず、その生まれたままの姿のカラダには愛された痕跡が無数に残っていたのだ。そしてお酒を飲み過ぎたのとは違うであろう辛さが体に残っている。特に胸の先と下半身だ。 とりあえずシャワーを浴びて頭をすっきりさせようと思い、クローゼットの中のチェストの一番下、下着が入っている引き出しを開ける。 「ひいいいいいっ!!」 そこには絶対に私のものではない、色とりどりの過激な下着がぎゅうぎゅうに詰まっていた。もはや下着かどうかわからない、謎の物体まである。 ───きっとまだ夢を見てるんだ!! 慌てて引き出しを閉めると思い切り指を挟んでしまい、『痛っ!』と声を上げる。 「どうした!?」 ───私、まだ夢の中なの・・・!?なんでいるの・・・!? 風凛くんが駆けつけてきて私がおさえている指をのぞきこんでいる。 「アホ!すぐ保冷剤持ってくる!」 「そんな大げさな・・・ちょっと挟んだだけだよ・・・。」 言いながら風凛くんを伺う。 ───夢の続き、だよね。あんな下着もあるし、私のカラダだって・・・あ、風凛くんがうちに泊まった日のこの時間、いつもだと・・・。 「風凛くん、私いつもの作るね。」 「あ?いつもの?」 「風凛くんが好きなフレンチトースト。」 「いつも通り俺に作らせろ。昨日の夜俺が無理させたせいで疲れてんだろ。俺はその気持ちだけでいいからよ。」 そう言うと、ふわり、とおでこにキスをしてくれた。 「いつも・・・風凛くんが作ってくれてるんだっけ・・・?」 「そうだよ。卵と牛乳ひたひたの、溶けるようなフレンチトースト。俺これしか作れねーけどよ・・・叶未超幸せそうに食ってるだろ・・・それ見て俺はこの上なく幸せ感じるんだよ・・・悪いか!?」 風凛くんは真っ赤な顔を隠すように後ろを向くと、おでこにハチマキをしめてキッチンに行ってしまった。
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