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今年は29日で終わるはずの2月のカレンダー、29日のとなりに30日と31日が並んでいる。
毎晩寝る前にその日のカレンダーにお花のシールを貼るのが私のルーティーンだった。嬉しいことがあった日も辛いことがあった日もいつか花を咲かせるようにと願って。風凛くんが家に来た日は彼が貼ってくれることもあった。
「2月29日にシールが貼ってある、ということは今日は『2月30日』?・・・ふふ。」
夢ならではだな、と思った。もし現実でも2月が31日まであったら、私の誕生日の2月29日は毎年来るはずだ。2月29日が毎年来るなんて不思議な感覚だ。
───うーん、4年に一回の方が特別感あっていいかな。次に2月29日が来る時・・・32歳になった時、私はどうしてるのかな。仕事で前進してるといいな。
そんなことを考えながら布団に入って目を閉じる。
昨日はただただ飲んだくれたけれど、この夢をワンクッション挟んだことで、前を向こうという気持ちになれてよかった。
───神様、意地悪なんて思っちゃってごめんなさい。ありがとうございました。
神様と風凛くんじゃない風凛くんにお礼を言って『さあ、目を覚まそう。』と思った。いつもならこれで目が覚める。
けれど目が覚めることはなく、逆に眠りの世界に落ちていった。
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