218人が本棚に入れています
本棚に追加
───やっぱりおかしい。
昨日は更衣室でのことで心が大いに乱れつつもいつものように仕事をこなした。旅行で休んでいた分仕事が溜まっていて遅くまで残業し風凛くんに誘われるまま彼の家に行き熱い夜を過ごし朝が来た。
そう、また夢の中で一日が始まって終わり新しい一日───2月31日土曜日───が始まったのだ。
普段夢を見ていると場面がどんどん変わっていき時間の流れがおかしい。それなのにこの夢では何の違和感もなくきちんと24時間が刻まれているのだ。
───夢の中なのに意識もこんなにはっきりしてるし、自分が思う通りに動ける・・・。
そう思ってふと目に入った2月31日まであるカレンダーを写真に撮る。
───きっと写真も私が今まで撮ったのがそのまま・・・あれ?
カメラロールを開くと、そこには撮った記憶のない写真が保存されていた。
───これ、ミコトくん・・・え!?・・・えええ!?
そこには会社の同期で同じ課の違うチームに所属しているミコトくんと私がベッドに二人で寝転んでいる写真があった。何も身に付けていない肩が生々しい。キスをしている写真やミコトくんの裸体まである。
社内では風凛くんに次ぐイケメンだと言われているミコトくんだけれど、彼のことをそんな風に見たことはなかった。
───まあ夢ってあり得ないことが起きるものだよね。
それにしてもこれは本当に普通に寝て見ている夢なのだろうか。もしかしたら私は普段あまり飲まないお酒を飲み過ぎて昏睡状態なのかもしれない。もしかしたらもう目覚めないのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!