3月4日(水)

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私と風凛くんが下着姿で私の部屋にいる写真。もちろん昨日彼は私の部屋には来ていない。 ───それにこんな下着・・・。 写真の中で私が身に付けている白くてフリフリの姫っぽい下着は元の世界で持っていたものでもないし、今いる世界のクローゼットにも入っていない。 ───これってもしかして・・・!?いや、でも、そんな・・・。 茉結の話やネットに書かれている通りパラレルワールドが無限にあるならば、ここに写っている私と風凛くんは今私がいる世界とも前に私がいた世界とも違う世界にいる二人なのではないだろうか。 ───別の世界の写真が同期されてる・・・?別の世界にいる私と、カメラロールが繋がってるっていうこと・・・?あ・・・!?これ!!これってもしかして・・・!? 2人の右斜め後ろに写っているものに目が留まった途端、動悸がますます激しくなった。 ───そんな!じゃ、つまり・・・! 「ん?どうかした?」 いつのまにか茉結がトイレから戻ってきていた。 「う、ううん!今ここにうさぎがいたから写真撮ったんだけど、すぐ他のとこ行っちゃって・・・見てほら。」 「あはは、写真ブレブレだね。」 「動画にしたらよかったかな。私もトイレ行ってくるね。」 「うん。そこのドア出て左奥だよ。」 「ありがと。」 トイレに入ってもう一度さっきの写真を確認する。 ───拡大してもはっきりわからない・・・家に帰ってパソコンで見てみよう。 その後は早く帰宅して写真を確認したい気持ちを抑えて小動物たちと(たわむ)れたりSNS映えするカフェメニューを食べたりしたが、どうしても上の空になってしまって茉結に心配されてしまったのだった。
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