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「ちょっ・・・!!」
元の世界にいた時は梨衣乃と一緒に温泉に入ったこともあった。でも目の前の梨衣乃とは最近初めて話したばかりなのに・・・。
ミコトくんは梨衣乃に視線を向けたまま私の着衣を直したので、タイツはちゃんと上に上がっていたものの中のショーツは丸まってしまっていて覆うべきところが覆いきれていなかった。
「こっ!これは・・・!」
ミコトくんの方を見るが彼は自分は知らないとばかりにパソコンの方に戻っている。変なことを言われてしまうよりはずっとよかった。
「そっ、その、これは・・・会議直前に急にトイレ行きたくなって慌てて行ったから!会議中に変になってるの気づいたけど、さすがに直せないでしょ?」
まるで幼稚園児みたいで恥ずかしかったが、梨衣乃は『そう。』と軽く答えて私の前を素通りすると、ミコトくんの前に立った。
「何かな?」
「あんたちょっと出ててくれない?」
梨衣乃がこちらを振り向いて言う。
「え?どういう?」
「いいから。」
私のノートパソコンやペンケース、スマホなどの荷物をまとめて渡されてから、くるっと回れ右をさせられ背中を押されて開いたままのドアから廊下に出される。次の瞬間ドアが閉ざされた。
ドアにくっつき聞き耳を立てていると『僕、君みたいないかにも遊んでそうな子はタイプじゃないんだけどな。ま、でも、カオとカラダは抜群にいいから、どうしてもって言うなら、一回くらいはしてあげても・・・』とミコトくんの嬉しそうな声が聞こえてくる。
───え、え!?一体何を・・・!?
ドアを開けようとするといつのまにか鍵がかけられていた。
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