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初陣
人を刺した
初めて人を刺した
呻く声が闇世に響いた
血飛沫が私を染めた
生温い感覚と鉄の臭いが私を駆り立てた
呻く男の喉に
もう一度突き立てた
流れ出る紅の液体は
我を誘う
奴の腹はズタボロだ
手を突っ込んだ
生温かく柔らかい物は
手に纏わりついて離れない
緋く染まる私の手は引き寄せられた
微かに波打つ物は簡単に潰れた
刃物を両手で突き立てた
突き刺さるそれにほくそ笑む
腹が痛むほど笑えた
最後は間抜けな顔だからだ
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