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切った髪が首の周りに残っているのか、チクリと痛む。気になって触ったら痒みが出てしまい、気が狂ったみたいに首を触ってしまった。
「何やってんだよ。仕方ねぇな。
世話が焼ける。」
タオルを片手に社長が首周りを払ってくれた。
「お前さ、少し体鍛えろ。
これでは殺される。
蓮、華をトレーニングルームに連れてけ。
俺はこのあと、人と会う予定がある。
今日中に、一度、事務所に連れて来い。」
トレーニングと言う言葉に、逃げも隠れもできない事がわかる。
もう二度と、これまでのような生活ができないと察する事ができた。
この社長のことは何も知らないし、わからない。
私とは別世界の人だ。
でも、わかる。絶対服従。
それは、社長と蓮を見ているとわかるからだ。
裏切ったら最後、本当に命がない。
師弟でもない。友達でもない。
兄弟姉妹みたいなものでもない。
私には理解の難しい関係の始まりだ。
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