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女か男か
「こうなると、女に見えない。」
トレーニングルームと呼ばれる場所に来た。
開口一番、そんな一言。
特に、そんなこと言わなくてもいいのにとは思わない。
社長がいてもいなくても、蓮の態度は変わらない。
少し安心した。
社長と離れた瞬間に、お前は生意気なんだよなんてことになったとしたら、怖過ぎる。
「嫌じゃないの?
これに着替えて。」
スポーツウェアのような物を渡されて、聞かれたことについて考えた。
嫌じゃないの?か。
嫌じゃないと言うと嘘のような気持ちになる。
でも、このようなことになって嬉しいのかと聞かれても、嬉しくもない。
「おい、お前、ここで着替える気か。
一応言っておくけど、俺、男だよ?」
気がつけば、Tシャツを脱ごうとしていた。
「ごめん。」
「あっち、あのドア開けたら、着替えられるから。」
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