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5  一時はヒヤヒヤさせられたが、カナタは、今回も無事に任務を終えた。  ガイダンスから終了までは、ほんの数十分。まさに「瞬殺」だ。  センチネルとしての、カナタの「能力の高さ」を誉めそやす声が、また広がるだろう。特に外野から。  だが――  もう解放してやってほしい。カナタを「任務」から。  それが俺の本心だった。  だったら、お前もお払い箱だぞ――と。  そう返されるのも、「タワー」との常のやり取りだ。  まったく構わない。それでいい。  俺は「カナタ」の「ガイド」だ。だから、カナタが解放されれば、俺の「存在意義」はなくなる。  俺に「他のセンチネル」のガイドはできない。  別に「存在したい」ワケじゃない。そんな欲求こそ「存在しない」。  ただ俺は。  カナタのことだけが気がかりだった。  いつだって綱渡りだ。  今回も「ラッキー」だっただけ。  これまでも、危機は何度あったか知れない。  夢を見る。  フリーフォール。  おちる、おちる、落ちていく――  カナタが。そしてそれを見つめる俺が。  壊れたセンチネル。  ストレイ・ウルフとなったスピリットアニマル。  「ドサクサまぎれに殺すなよ」と、ついでのように言い捨てた。  あれがカナタの本心だと、分かっているから。  あれが、センチネルとしての、カナタの本音だったから。     アイツを抱き締めてやれない「俺」が、あとどれほどの間。  あと幾度。  「リコシェ」を支え続けられるだろうか―― *
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