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今、僕の目の前には大海原が広がっている。ここから僕の新しい旅が始まるのだ。それは、決して平穏で楽な旅ではないだろう。でも、これだけははっきりと自信をもって言える。
- 僕はひとりじゃない。
今、僕が胸に抱いているこの気持ちは、今後、きっと自分を支えてくれだろうし、守ってくれるものになるだろう。
僕はみんなの思いを胸に、精一杯生きていく。
それが、僕を励まし応援してくれる人たちへの恩返しになると信じているからだ。
だからこそ、これからの船旅で、船が暗礁に乗り上げようが大嵐に巻き込まれようが、僕は僕のやり方で乗り越えていく。
九分九厘可能性がなくとも、ほんの僅かな望みしかなくても、僕を信じてくれる人がちょっとでもいるのなら、それに自分の持ってる力の全てを賭けるんだ。
必ずできる。そう思う。
僕の目の前には、これから僕が乗り込む船が、太陽の光をいっぱいに浴びて停泊していた。マストに下げられた鐘が、海風を受けて僕にエールを送ってくれているかのように打ち鳴らしている。
それは生命力がみなぎるような、そんな力強い人生の高鳴りに思えた。
その船の名は、太陽に反射して、金色に輝いている。
舳先に書かれた船の名、
「bEll(鐘)」と-』
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