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「なかよしのおともだち?」
「……そうだね。きっとなかよしだよ」
……私となんかより……
続けて浮かんだ呟きに晴はハッとした。
……何考えてるんだろう。だから何? 私には関係ないじゃない……
「そっかぁ」と光太郎が残念がるのを見て正木が二人の前に身体を入れて素早くドアの鍵を開けた。
「だからぶどうは光太郎とはーちゃんとパパの“三人”で食べよう、な?」
「うん!」光太郎は笑顔を取り戻して言った。
「入って」
ドアを開けて晴を迎え入れる正木の笑顔を見て、晴は静かに深呼吸をした。
……そうだ。
私は正木さんに憧れてて……彼のことが好きなんだった……。
何を迷ってたんだろう……。
「お邪魔します」
晴は何か決意を固めたようにして言うと、正木の開くドアの中に足を踏み入れた。
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