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着替えを済ませて縁側に戻ると、正木が降り続く雨を縁側からぼんやりと眺めながら待っていた。
「あの、正木さんの着替え……どうしましょう?」
「俺はこれをまだなんとかしないといけないし、」と正木は濡れた布団に目を落とした。
そして、その目をゆっくりと上げて晴を見た。
「今夜は……眠れる布団はあるの?」
先日、史月のために使った来客用の布団も一緒に干してしまったために、そちらも雨の犠牲になってしまった。
布団はないが、座布団を繋げて敷けば……なんとかなるかもしれない。
和室にある座布団を見つめた後、晴が大丈夫だと言おうとすると、今まで洗濯物との格闘で大人に放置されていた光太郎が存在感をアピールするように大きな声を上げた。
「はーちゃん、こーちゃんち、くれば? こーちゃんち、ベッドも布団もいっぱいあるよ!」
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