5. 雨が招いた秘密

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コインランドリーに寄ると、隙間なく並んだ大型の洗濯機が唸り声を上げていくつも稼働していた。店内には人も多い。どうやら突然の雨に晴と同じ目に遭った人たちが少なからずいるらしい。中には「もう最悪」と晴の気持ちを代弁する客もいた。 おかげで晴が確保できたのは一台だけで、二枚の布団と枕に他の洗濯物を合わせると少し時間がかかりそうだった。 「最近は降ってなかったのに急にきたね」 正木と晴が洗濯機に布団を入れていると、そばの台で洗濯物を畳んでいた女性が声をかけてきた。年齢は六十過ぎくらいで、ここの常連の雰囲気を醸し出していた。 「お宅は布団をやられたんだ?」 「はい、外出してたら間に合わなくて」と晴は彼女に応じた。 「見たところ、綿のいい布団だから、しっかり乾かした方がいいよ。時間はかかるけどね」と女性は濡れたもう一枚の布団を見ながら言った。 「ありがとうございます。そうします」と晴は彼女の助言に感謝すると、それに気をよくしたのか女性は再び声を掛けてきた。 「ここでは見ない顔だけど、最近越してきたの? 新婚さん?」
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