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引っ越しは当日を含めてその翌日も休みをもらっていたので、二日間で家の中はほとんど片付いた。何においても荷物が最小限で済んだことは有り難かった。
「新居はどうよ?」
二日明けで出勤したその日の昼休み、会社の休憩室でお弁当のロコモコ丼を頬張りながら上目遣いに晴のを見たのは同僚の梶本 絵理奈だった。
「もう最高」
晴は同じロコモコ丼のハンバーグを噛み締めるのと同様に、新居での快適さを噛み締めるように言った。
「これも最高♡」
晴はフォークで一口大にしたハンバーグをもう一口頬張った。
二人が食べているのは手作りのお弁当ではなく、会社の近くに来るキッチンカーで買った代物だった。
絵理奈の方は食にこだわりがある方ではなく、本来ならお昼は栄養補給用のゼリーの類やコンビニのサンドイッチやおにぎりでも構わないたちだったが、晴と昼休憩を一緒に過ごせる時は彼女に合わせていた。
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