2. 大家代理

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……それから正木と晴はお互いに時間を忘れて話し込んだ。 同じ職場にいた二人に話は尽きない。 晴に至っては久しぶりの再会とあって随分色々と話してしまった。 しかし、再びグラスが空になる頃、晴は腕時計を見て焦った。 もうすぐ九時になるところだった。 「正木さん、光太郎くんの迎え、大丈夫ですか!?」 普段なら光太郎はもう寝る時間だ。 「そうだった」と言いながらも正木に慌てる様子はない。 「言ってなくてごめん。さっき母親から連絡があったんだ。今日は一人でばあちゃんの家にお泊まりするってさ」 「お泊まり?」 「ああ、母のところには一通りのものは揃ってるし、なんだか光太郎も一人で泊まるって張り切ってるみたいだよ」 「大丈夫……なんですか?」 「大丈夫なことを祈るよ。一人でのお泊まりは初めてだけど、まあ、光太郎にとってもチャレンジだよ」 正木は子供の成長を見守る父親の顔で笑った。
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