1. これから始まる。

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目が覚めたのは、日が暮れて心地よさが肌寒さに変わった頃だった。 「あ、やだ…寝ちゃってた……」 身体や脳はまだ休息を求めているのか起こそうとする身体は重だるい。 晴はあくびをしながらなんとか身体を起こした。 本当に少し気合を入れないとこの荷物は今日明日の間に片付きそうにない。 鈍った身体を目覚めさせようとして座ったまま腕を大きく伸ばして伸びをした。 脳に酸素をたっぷりと送ると徐々に身体が目覚めてくるのがわかる。視界もはっきりとしてきた。しかし、そう思った途端、息苦しさを感じたと同時にみぞおちの辺りに痛みに近い締め付けられるような感覚が走った。 全身が粟立ち、咄嗟に手にしたスマホを握る手は震えていた。 110に緊急通報するにはどうしたらいいのか、動揺で手から滑り落ちそうになるスマホを必死に握りしめると、スマホの画面の上で震えた指先がカタカタと鳴った。 「……誰……?」
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